東京で全然見かけなくなった「シアトルズベストコーヒー」が、九州に今でもやたらと多いワケ【連載】移動と文化の交差点(6)
シアトルズベストコーヒーは、九州で急成長中。福岡を中心に、交通利便性の高い駅構内で展開し、地域経済にも貢献している。
九州でよみがえる懐かしさ
筆者(増淵敏之、文化地理学者)は先日、1年ぶりに九州を訪れる機会を得た。今回は福岡、長崎、佐賀だ。福岡では、JR博多駅前の「博多コネクティッド」や九州最大の繁華街・天神エリアの「天神ビッグバン」など、大規模な再開発が進んでおり、街の勢いを感じた。地下鉄七隈(ななくま)線が博多駅に直結し、交通インフラも便利になった。
さて、JR博多駅構内を歩いていると、みどりの窓口の横にシアトルズベストコーヒーがあり、東京で新宿南口店に立ち寄った記憶がよみがえり、懐かしい気分になった。しかし、最近は東京ではほとんど見かけなくなった。新宿南口店も2015年に閉店した。とても気に入っていただけに残念だった。
しかし、福岡では駅構内だけでなく、近くにはほかに2店舗あるらしい。これは小さな驚きだった。その後、長崎駅と佐賀駅の構内でも見かけた。東京ではあまり見かけない同店が、なぜ九州に多いのだろうか。