バス・タクシーの乗務員はなぜ「名前表示」が義務付けられていたのか? 京王バス「ビジネスネーム導入」で考える
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京王電鉄バスグループが、バス車内に掲示する乗務員名について、本名とは異なる「ビジネスネーム」を選択できる制度を導入した。そもそも、なぜバスやタクシーに乗務員名の表示が義務付けられたのか。
SNS上の誹謗中傷

なかでも看過できないのが、SNS・インターネット上での誹謗(ひぼう)中傷である。鉄道やバスの乗務員から多く挙がったこの項目は全体で0.8%とさほど高くはないものの、自由回答欄には
「名札などの名前が分かるものを身に付けていると、SNSに掲載される恐れがあります。ネット上などで誹謗・中傷を受ける可能性があり、イニシャル表記などにすることでリスク回避するマニュアルを整備すべきだと思います」
などの回答があり、名札を付けることで不安を感じている乗務員がいることが明らかになった。
ちょうど、この時期から、名札など氏名を表示することによる弊害は、さまざまな業界で取りざたされるようになっていた。『読売新聞』2022年9月17日付夕刊は、「カスハラ 狙われる名札 ネットで中傷 国・企業 表記見直し」と題する記事で、こうした状況を詳しく伝えている。
この記事では、カスハラにおいて氏名を知られることによる被害の増大を報じている。例えば、あるコンビニではアルバイト店員がインターネット上に不当な中傷を書き込まれ、店長の判断で名札の着用を見合わせているという。
また、医療機関では看護師が患者に名札で特定され、SNSで食事に誘われる被害に遭った。ほかの患者にもSNSをのぞき見られている恐怖におびえているという事例が記されている。