今の自動車業界に「圧倒的に足りないもの」とは何か?【リレー連載】本田宗一郎「わからないからいい」を再考する(2)
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わからないからいいんだね――。日本自動車界の伝説・本田宗一郎は、生前のテレビ番組で「無知の知」を説いた。現代社会は合理化が進み、物事の予測可能性は上がった。そしてビジネスマンは知識武装し、SNSは「知」と自己顕示欲に満ちている。そんな今こそ「無知の知」に立ち返り、知の傲慢と対峙すべきではないか。
自動車業界の再生
最後に筆者は、EVシフトの真っ只なかにいる550万人の自動車業界関係者にいっておきたい。
未知の技術が日々増え続ける現代において、忙殺される毎日を過ごしている人が少なからずいるのではないか。新しいことや不慣れなことを学ぶ意欲が欠けていないだろうか。特に、
「自社の製品や技術に関係のないことには興味を示さない人」
が多いように感じる。
冒頭の繰り返しになるが、自動車業界は今、100年に一度といわれる変革の時代を迎えている。そして、その変化の担い手となるのは、われわれであることを強く意識しなければならない。変化を実感できる瞬間は、社内の人間関係にこだわらず、さまざまな業種の人たちと接するときだ。
もちろん、BtoBの取引のなかで、商談やプレゼンを通じた交流は日常的にあるだろう。しかし、さらに交流の輪を広げる手段として展示会を活用し、さまざまな情報を積極的に収集・交換する必要がある。
自動車業界の展示会といえば、やはりモーターショーが華やかで欠かせない。各国で開催されるモーターショーには、自動車メーカーだけでなく、自動車部品メーカーやアクセサリーパーツなどのメーカーも多数出展しており、各社の最新技術に触れる絶好の機会となっている。
近年、業界はEVシフトの遅れを指摘されてきた。しかし、ハイブリッド技術が見直されつつある現在、それを挽回するチャンスはまだあるとの声も多い。
筆者は日本の技術力を信じつつ、協業と、本田が残した「無知の知」が業界への新たな化学変化の起爆剤になることを期待したい。