「わからないからいい」 ホンダ創業者・本田宗一郎が遺した名言から学ぶ、無知という名の“知”

キーワード :
,
知識武装されたインターネット社会において、ホンダ創業者・本田宗一郎の名言「わからないからいいんだね」から、自らの無知を自覚することの大切さを学ぶ。

晩年の名言

シビックe:HEV(画像:本田技研工業)
シビックe:HEV(画像:本田技研工業)

 本田技研工業という名前を知らない人はいないだろう。クルマ、モーターサイクル、そしてさまざまな産業機械を手がけている。そして、そのカリスマ的創業者の名前が本田宗一郎であることも。

 少し前のことだが、筆者(矢吹明紀、フリーランスモータージャーナリスト)は調べ物で、ホンダに関する過去のインターネット動画を検索していた。その過程で、過去に放映されたテレビ番組を見つけた。番組名は「今夜は好奇心!」(1990年4月から1994年9月までフジテレビ系列で放送された情報番組)である。

 過去の有名人や出来事をわかりやすく検証する歴史エンターテインメントだ。その番組で取り上げられたのが本田宗一郎だった。宗一郎が亡くなってちょうど1年後の1992(平成4)年8月に放送されたもので、サブタイトルは「夏休み人物伝1 本田宗一郎 挑戦と成功」だった。動画を見ているうちに、だんだんと過去の記憶がよみがえってきた。

 番組の特徴は、単なる歴史上の人物の解説にとどまらず、映像が残っている限り「本人の発言映像」を多く取り上げることだった。何事もそうだが、本人の言葉には何物にも代えがたい重みがある。本田宗一郎がまさにそうだった。

 番組では宗一郎の名言が数多く紹介されたが、最も印象に残ったのは、晩年のインタビューでの言葉だった。

「わからないからいいんだね。もし僕がわかるようなことをしていたら、若い連中はボンクラですよ。僕もわからんようなことをやってるから、私はうれしくて、希望に燃えているわけです」

全てのコメントを見る