今の自動車業界に「圧倒的に足りないもの」とは何か?【リレー連載】本田宗一郎「わからないからいい」を再考する(2)
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わからないからいいんだね――。日本自動車界の伝説・本田宗一郎は、生前のテレビ番組で「無知の知」を説いた。現代社会は合理化が進み、物事の予測可能性は上がった。そしてビジネスマンは知識武装し、SNSは「知」と自己顕示欲に満ちている。そんな今こそ「無知の知」に立ち返り、知の傲慢と対峙すべきではないか。
業界協業の必要性

技術の進歩や市場の変化に適応するためには、謙虚さや柔軟性が必要であることを常に意識しなければならない。
例えば、
・デジタルトランスフォーメーション(DX)
・ソフト・デファインド・ビークル(SDV)
といったデジタル技術への対応を例に挙げると、これからの自動車は、自動運転技術や人工知能(AI)、インターネット環境との連携など、デジタル技術への依存度がますます高まっていく。自動車メーカーや関連企業は、こうした新技術に素早く適応し、統合できる柔軟性を常に念頭に置かなければならない。
また、このような環境下にあっても、業界内での協業や共創を推進することも重要である。本田は他社との協業による共同成果を大切にしており、ソニーとの電気自動車(EV)共同開発推進はまさにその精神を体現した取り組みといえる。
今後は、これらが成功のカギとなり、国際的な視点や協力も必要になってくる。グローバル化の急速な進展にともない、自動車メーカーは異なる国や地域の法律や規制、文化、市場ニーズを理解し、それらに対応しなければならない。そのためには、国際的な視野に立った協力・連携が重要になる。
自動車メーカー間の関係が競争から協業へとシフトする傾向は、今後さらに顕著になるだろう。