政令市でもないのに移住増 つくば市・藤沢市・流山市に共通する「交通網」の絶対条件とは

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総務省が発表した2021年住民基本台帳人口移動報告によると、東京23区が初の転出超過を記録。一方で都市部以外への移住傾向が高まっているのが見て取れる。転入が増えた街々の共通点を探る。

鉄道は欠かせない通勤・通学移動

転入超過数の多い市の一つ、茨城県つくば市にある つくば駅周辺(画像:森口将之)。
転入超過数の多い市の一つ、茨城県つくば市にある つくば駅周辺(画像:森口将之)。

 つくば市や流山市、柏市はつくばエクスプレス沿線にあり、藤沢市と高崎市はJR東日本の上野東京ラインや湘南新宿ラインが走る。藤沢市は小田急電鉄も乗り入れるが、その途中には町田市と相模原市があり、後者は八王子市ともども京王電鉄が伸びている。

 首都圏以外でベスト20に入った県庁所在地を除く都市でも、大阪府の箕面市と枚方市は大阪市に隣接していないが、前者は阪急電鉄箕面線、後者はJR西日本学研都市線や京阪電車京阪本線が走っており、箕面市はさらに2023年度に北大阪急行電鉄が延伸予定になっている。

 この結果を見て、東京在住の筆者(森口将之、モビリティジャーナリスト)は納得した。日常の移動の多くを鉄道で賄う東京在住者たちは、マイカー移動のデメリット――自宅や外出先の駐車場代は高く、渋滞で時間が読めないなど――も認識しているからだ。

 とくに地方に出かける際の、行き帰りの高速道路の渋滞はひどい。おまけに鉄道と同じ公共交通である高速バスもこの渋滞には巻き込まれるので、時間を重視するなら鉄道一択なのである。

 将来自動運転が実用化されても、状況はほとんど変わらない。たしかに運転という行為からは解放され、車内で食事をしたり映画を見たりしながら過ごせるだろう。しかし渋滞の中で長い時間を過ごすことは変わらないし、車内でできることには限りがある。早く目的地や自宅に着けるほうがいいという考えは変わらないはずだ。

 こうした鉄道の持つ利便性、鉄道に対する絶対的な信頼感が、移住先の選択にも反映されているのだ。

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