都心から1時間半! 南房総の観光施設が「秋のドライブ1位」に輝いたワケ
都市近郊型リゾートという合理性

秋は、日本のドライブ体験が最も豊かになる季節だ。猛暑が過ぎ、空気は澄み、陽光は柔らかくなる。窓を開け、車を走らせるだけで心地よさを感じ、移動そのものが楽しみとなる。都市生活者にとって、秋のドライブは短時間で非日常を味わえる貴重な機会であり、時間効率の高いレジャーとして定着している。2025年10月27日に発表された「この秋ドライブで行きたい場所ランキング!2025年最新版」(関東地方の男女370人を対象、NEXERとグーネット中古車の調査)では、紅葉で知られる中禅寺湖やひたち海浜公園を抑え、千葉県・マザー牧場が1位に選ばれた。
都心から高速道路やアクアラインを利用すれば約1時間半で到着できる距離は、日帰りでも旅の気分を味わえる絶妙な立地といえる。利用者からは
「子供も大人も楽しめる施設だから。敷地が広いから一日中遊べて芝生でお弁当を食べる事が出来るのも魅力的。少し涼しい秋ごろが一番行きやすいと思います」(20代・女性)
「近いし、色々楽しめる。寄り道できるところも多い」(50代・女性)
といった声が寄せられ、アクセスのよさと施設の多様性が高く評価されていることがわかる。
さらに、ドライブそのものが体験価値に組み込まれている点も見逃せない。東京湾アクアラインのトンネルを抜けた瞬間に広がる空と海は、都市から自然への移行を実感させ、到着前から非日常の時間が始まる。丘陵の起伏や流れる景色は、運転中の心理的な演出として作用し、移動が楽しみに変わる。
到着後の滞在では、動物とのふれあい、季節の花畑、地元食材を使った食事、芝生広場での休息が一体となり、心理的満足感と体験価値を同時に提供する。都市近郊で短時間のドライブと多彩な体験を両立させる施設構造は、現代の都市生活者が求める「手軽に非日常を感じるリゾート」の完成形を示している。