長距離バス台頭で揺らぐ「夜行列車」の価値 今なお褪せぬ利便性とは

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夜行列車の廃止が相次ぎ、現在定期運行されているのは「サンライズ瀬戸・出雲」のみ。そんな夜行列車の利便性とは何か。ヨーロッパでの復活も交えて紹介する。

利便性の高い夜行列車

サンライズ瀬戸(画像:写真AC)
サンライズ瀬戸(画像:写真AC)

 十数年前まで、夜行列車は東京から地方へ移動する際の選択肢のひとつだった。2021年1月に運行終了が発表された「ムーンライトながら」は、2009(平成21)年3月まで定期運行しており、東京~大阪間を結ぶ「銀河」(2008年3月終了)と並ぶ利便性の高い列車だった。新宿~新潟間を結ぶ「ムーンライトえちご」(2014年3月終了)は、首都圏から新潟方面へ向かう際に利用されていた。

 2010年代を過ぎると、安価な料金で乗車できる座席タイプの夜行列車はもとより、寝台列車まで運行終了が相次ぎ、現在定期運行しているのは東京~高松・出雲市間を結ぶ「サンライズ瀬戸・出雲」のみとなっている。そのほかは、季節運行の夜行列車と、JR東日本「TRAIN SUITE 四季島」などの豪華な観光用寝台列車が運行されているにすぎない。

 ただ実際は、

・飛行機や新幹線より時間がかかる
・夜行バスより金額がかかる

ため、趣味で乗るイメージが強く、またブルートレインの持つ「ノスタルジックな旅情」があまりに強かったため、利便性の高さにおいても意味のある交通手段だということはほぼ忘れられてきた。

 利便性の高さを一言でいえば

「寝ている間に移動できる」

ことだ。地方取材の際、筆者は夜行列車の減少を不便に感じている。

 こうしたときは取材前日に現地へ到着するか、新幹線・飛行機を使って早朝に移動することになる。いずれにしても移動のためだけに時間を費やしているので、とても歯がゆい。寝ている間に移動できた夜行列車は、間違いなく便利だった。