中国EVの強みは“価格”だけじゃない! 「自動車強国」へと突き進む巧妙戦略をご存じか
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中国政府は2027年までにNEV比率を45%まで引き上げると発表した。これは従来の目標より3年前倒しとなる。どのような政策が実施されるのか。
中国NEV市場急拡大

中国の電気自動車(EV)を中心とした新エネルギー車(NEV)への転換が、さらに加速する見通しだ。中国政府では2023年12月末、2027年までにNEVの比率を45%まで高めると発表した。これまで2030年としていた目標を3年前倒しした形だ。この急激な転換に向けて、どのような政策が行われているのか――。
計画の前倒しを示したのは、中国国務院(諸外国における内閣)が発表した「美しい中国建設を全面的に推進する意見書」だ。ここでは環境改善のために、各種の取組が示されており、従来のエンジン車に関しては
「基本的に淘汰(とうた)する」
としている。
エネルギー・金属鉱物資源機構のリポートによれば、2023年上半期の中国の自動車輸出台数は214万台で、前年同期比75.7%増となった。このうちNEVは53万4000台で、前年度比で160%増となった。
EVに限れば2022年の世界の販売台数ランキングの上位15社のうち6社は中国企業となっている。そのうち、比亜迪(BYD)の販売台数は185万台。グローバルシェアは18.3%となり、米テスラ社の13.0%を上回り世界1位に躍り出た。BYDは2023年上半期の国内の自動車販売台数でもトップ(シェア11.7%)となっており、拡大する中国のNEV市場の象徴となっている。2023年10~12月期のEV世界販売台数で、テスラを抜いて首位に立つ見通しだ。