中国EVの強みは“価格”だけじゃない! 「自動車強国」へと突き進む巧妙戦略をご存じか
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中国政府は2027年までにNEV比率を45%まで引き上げると発表した。これは従来の目標より3年前倒しとなる。どのような政策が実施されるのか。
地方政府の計画と課題

今後、中国が「自動車強国」としてNEVの世界トップシェアを築くのは確実である。そこで国内では、地方政府主導で自動車産業拠点化を目指す動きも本格化している。例えば、山東省では地方政府が
「2025年までに、新エネルギー自動車産業規模が5000億元に達するよう努力する」
という計画を立ち上げている。この計画では、2025年までに乗用車の分野で
・年間生産台数30万台以上の企業:1社
・年間生産台数十万台以上の企業:4社
育成し、商用車の分野で細分化されたモデルの販売台数が全国トップ10に入る企業を「5社」育成することが掲げられている。
この計画では、企業育成だけでなく関連部品の製造やリサイクルまで一貫した産業育成が計画されている。世界で進むNEVへの転換を「自動車強国」実現のチャンスと狙う中央政府の意向は、末端にまで浸透しているわけだ。
一方で、各地方政府間での競争は、非効率な生産過剰を引き起こすことも危惧されている。そこで中国国内の各社が国外に市場を求めたことが、輸出増につながっている。
これまでも、中国では歴代の王朝が“動員”によって大規模な事業を展開してきた。万里の長城や大運河など枚挙はいとまがない。自動車産業への大規模な投資は、歴史上繰り返されてきた大規模事業の現在形といえる。
この人海戦術のような動きは、諸外国からは危惧されている面もある。2023年10月に欧州連合(EU)では、中国製のNEVが国からの補助金で価格を抑え、市場の競争原理をゆがめている疑いがあるとして調査に乗り出している。