「B29を竹槍で落とせ」 東條英機は本当に“精神主義”の権化だったのか? その実像をひも解く

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旧日本陸軍の精神主義を象徴する人物という印象が強い東條英機。その固定化されたイメージをひも解く。

航空戦力との葛藤

一ノ瀬俊也『東條英機 「独裁者」を演じた男』(画像:文藝春秋)
一ノ瀬俊也『東條英機 「独裁者」を演じた男』(画像:文藝春秋)

 東條は航空戦力、特にその量の重要性を認識していながら、徹底的に内面化された「努力即権威」という精神のもと、その劣勢を精神力で補うことを唱えるようになり、このような東條の考えのもとで特攻作戦が実施されていくことになる。

 すべての責任を背負い込んだ東條はサイパン陥落の責任を取って退陣させられることになる。本人は首相を続けようとし、それがだめなら陸相に留任して戦争に関わり続けようとしたが、周囲はそれを認めなかった。

 本書は、東條の航空戦力重視の姿勢などを明らかにすることで、東條が必ずしも精神論だけの人物ではないことを明らかにしつつ、同時にそのリーダーシップの限界も明らかにしている。

 戦争に関するニュースが増えてきた今、本書を通してかつての日本の戦争指導者の姿を振り返ることは重要かもしれない。

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