飛行機の最適な「搭乗方法」知ってる? 宇宙物理学者がアルゴリズムを駆使して考えてみた
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米ネバダ大学の物理学者が、搭乗時に乗客が混雑する状況や要因を考察し、アルゴリズムを使って最も効率的な搭乗順序を導き出している。それは何か。
物理学者の探求心

日常生活で段取りの悪い場面に出くわしたとき、イライラして「これ、もうちょっとなんとかならないの」と思うことはないだろうか。シアトル便に乗り込もうとしたジェイソン・ステフェンという男性も、そんな風に感じたひとりだった。
空港で、セキュリティーチェックに並び、ゲートでの搭乗券チェックに並び、そして搭乗するときも、遅々として進まない列に並ぶ。セキュリティーやチケットのチェックは必要不可欠だから仕方ないにせよ、せめて最後のプロセス、
「搭乗時の行列はなんとかならないのか」
と、ステフェン氏はそう思ったのだ。しかし、彼が他の人と違っていたのは、それを「なんとかする方法」を本当に考えだしたところだ。
実は、ステフェン氏は、宇宙物理学を研究する米国ネバダ大学の物理学者だ。彼は、搭乗時に乗客間で「渋滞」が発生する状況や要因を考察し、アルゴリズムを用いて
「最も効率のよい搭乗順」
を導き出している。そして、それを実験で証明し、論文として発表した。「イライラを解消するためにそこまでするのか」と思うかもしれないが、日常の疑問を学術的に考察し、改善の道を探ろうとする物理学者ならではの探求心が興味深い。
果たして、ステフェン氏が導き出したアルゴリズム最適化後の搭乗順で、どの程度の時間を短縮できたのだろうか。