飛行機の最適な「搭乗方法」知ってる? 宇宙物理学者がアルゴリズムを駆使して考えてみた

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米ネバダ大学の物理学者が、搭乗時に乗客が混雑する状況や要因を考察し、アルゴリズムを使って最も効率的な搭乗順序を導き出している。それは何か。

実験の結果と航空会社の見解

飛行機の座席イメージ(画像:写真AC)
飛行機の座席イメージ(画像:写真AC)

「理論上は……」と述べたが、ステフェン氏による実験の結果においても、1番速く全員を座席に付けることができたのは、やはりステフェン方式であった。

 ステフェン氏が行った実験では、五つの搭乗方式のそれぞれについて、72人の乗客役の老若男女が、自分たちが通常使用している旅行かばんを携えて搭乗する――というシミュレーションを行っている。

 最初の乗客が航空機内に足を踏み入れてから、最後の乗客が着席するまでの時間を計測した実験結果は、時間の短い順に次のとおりだ。

・ステフェン方式:3分36秒
・ウィルマ方式:4分16秒
・ランダム方式:4分44秒
・後ろから前へ方式:6分11秒
・ブロック方式:6分54秒

 好き勝手に乗客が乗り込むランダム方式が、航空会社が考えたブロック方式や後ろから前へ方式よりもよい結果を残しているというのも興味深いが、やはりステフェン方式の速さが際立っている。

 航空会社が飛びつくのではないかと思ったが、実は今もステフェン方式は採用されるに至っていない。どういう事情なのだろうか。

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