九州北部の経済発展を阻害? 「福岡空港の大混雑」という直視すべき現実

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福岡空港は市街地に隣接しており、アクセスは便利だが、運営上の制約も大きい。特に、騒音問題を避けるために運用時間が午前7時から22時までと制限されていることが、しばしば欠点として挙げられる。この制限により、出発遅延や門限を過ぎると飛行機が引き返すなどの問題が頻発している。

西九州新幹線・未整備区間に新提案

福岡空港から離陸する飛行機(画像:写真AC)
福岡空港から離陸する飛行機(画像:写真AC)

 着工の見通しが立っていない西九州新幹線(武雄温泉~長崎間)の未整備区間について、与党内で「佐賀駅南側」ルート案が浮上していることを新聞各紙が報じている。

 これまで、国土交通省が提案した佐賀県内を通る三つのルート案のなかでは、新鳥栖(とす)駅から佐賀駅を経由する「佐賀ルート」が最適とされていた。これに対して、与党内で浮上した案は、次のようなものだ。

・新鳥栖駅で九州新幹線と分岐
・佐賀駅と佐賀空港を結ぶ
・経路は複数の可能性を含めて検討
・佐賀市南部に新駅の設置を想定

 これまでの国交省では、福岡県南部に位置する筑後船小屋駅から分岐し、佐賀空港近くを通る「南回りルート」が検討されている。このルートは軟弱地盤の問題があり実現困難とされている。

 一方、佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は佐賀空港や有明海沿岸道路との連携が期待できるルートであるとしてきた。新ルート案は、佐賀県の姿勢に一定の配慮を示したものといえるだろう。

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