飛行機の最適な「搭乗方法」知ってる? 宇宙物理学者がアルゴリズムを駆使して考えてみた

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米ネバダ大学の物理学者が、搭乗時に乗客が混雑する状況や要因を考察し、アルゴリズムを使って最も効率的な搭乗順序を導き出している。それは何か。

新たな搭乗順序「ウィルマ」の登場

飛行機の座席イメージ(画像:写真AC)
飛行機の座席イメージ(画像:写真AC)

 そもそも、航空会社はどういった順序で旅客を飛行機に搭乗させているのだろう。順序規制なしに乗客を自由に搭乗させる場合もあるので、これは仮に「ランダム方式」と名付けておく。

 それ以外で主に航空会社で採用されているのは、

・座席をいくつかのブロックにわけて、ブロックごとに順番に搭乗させる「ブロック方式」
・1番奥から始めて搭乗口近くへ順に搭乗させる「後ろから前へ方式」
・最近脚光を浴びている「WILMA(ウィルマ)」と呼ばれる搭乗順序

だ。ウィルマとは、

・WI:Window(窓側)
・M:Middle(中央)
・A:Aisle(通路側)

という意味で、「L」には特に意味はなく、単にウィルマという女性名に近かったので採用されたという。

 つまり、ウィルマは列ではなく、窓側から先に埋めて、次に中央、そして最後に通路側という順序に搭乗させる方式で、米国の大手、ユナイテッド航空などが採用している。

 ステフェン氏は、既存のこの四つの方式に、独自に編み出した「ステフェン方式」を加えた5種類の方式について、搭乗にかかる時間を計測する実験を行ったのだ。

 実験は、ハリウッドにある撮影用の航空機のセットを借り切って行われた。ボランティアの乗客役やハリウッドのエキストラ俳優を雇っての実験という、かなりの力の入れようだ。実験の結果はどうだったのだろうか。

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