飛行機の最適な「搭乗方法」知ってる? 宇宙物理学者がアルゴリズムを駆使して考えてみた

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米ネバダ大学の物理学者が、搭乗時に乗客が混雑する状況や要因を考察し、アルゴリズムを使って最も効率的な搭乗順序を導き出している。それは何か。

旅客の我慢と経費革命

飛行機の座席イメージ(画像:写真AC)
飛行機の座席イメージ(画像:写真AC)

 ステフェン氏の計算では、旅客が搭乗に要する時間は、最適化された方式をとれば、

「2~3分」

短縮できるそうだ。たった2~3分かと、正直拍子抜けした。行列に並ぶ時間は短いに越したことはないが、旅客側の立場からすると、

「2分くらいなら我慢の範囲だし、短縮することにそれほど意味はないのでは」

と思ってしまう。しかし、あなどるなかれ、航空ビジネスを担う航空会社側の目線で見ると、景色はガラリと変わる。

 空港の運営上、ターミナルに航空機を待機させると経費がかかる。1分間で約30ドル(約4300円)ほどかかるのだそうだ。これを1年間に飛ぶ全ての旅客機にあてはめてみるとどうだろう。1日に1500機がフライトを行っているとして、全機が1分間ターミナル滞在を短縮したら、節減できる経費は

「年間1600万ドル(約23億円)」

にものぼる。2分なら46億円だ。数十億円もの経費節減を実現させる可能性を秘めた搭乗順とは、一体どのような順序なのだろうか。

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