飛行機の最適な「搭乗方法」知ってる? 宇宙物理学者がアルゴリズムを駆使して考えてみた

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米ネバダ大学の物理学者が、搭乗時に乗客が混雑する状況や要因を考察し、アルゴリズムを使って最も効率的な搭乗順序を導き出している。それは何か。

アルゴリズム最適化による搭乗順

飛行機の座席イメージ(画像:写真AC)
飛行機の座席イメージ(画像:写真AC)

 ここで、ますステフェン方式を解説しておこう。基本的には、ウィルマの考え方を踏襲していて、1番奥の窓側から手前に向けて順番に搭乗させるのだが、博士の方式はユニークだ。

 まず、通路右側の1番奥の列で、窓側の人を搭乗させる。仮に、座席が中央の通路を挟んで3席ずつの計6席20列あったとして、20列目の窓側「20A」が最初の乗客となる。

 次は、1列空けて、ふたつ前の窓側「18A」だ。そして「16A」「14A」「12A」と続く。つまり窓側の偶数席だ。通路右側の1番手前「2A」まで進んだら、今度は左側の1番奥の窓側「20F」から偶数の窓側席を「2F」まで埋めていく。

 そして、その次は右の奇数の窓側席「19A」から「17A」「15A」と「1A」まで続け、埋まったら左の「19F」から前に進む。もうおわかりかと思うが、窓側が埋まったら同じ要領で、中央席、通路側席の順で埋めていくのだ。

 ステフェン氏によると、機上で搭乗客の渋滞が発生する原因となる「障害」は主にふたつだ。

 ひとつ目は、「座席での交差」による障害だ。自分の座席列で、自分の席より手前にすでに人が座っていて、その人を「超えて」着席しなければならない場合を指す。

 ふたつ目の障害が「通路での交差」による障害だ。これは、先に搭乗した乗客が、通路上で座席頭上の荷物入れに荷物を積み込む作業をしている間、後から来た乗客が前に進めず立ち止まって待機を余儀なくされる場合だ。

 ステフェン氏が考案したステフェン方式は、片側の奥の席から、しかも列をひとつ飛ばしで搭乗させるため、このふたつの障害が起こる可能性を大幅に減らせるのだ。理論上は……。

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