レアメタル争奪戦! アフリカ南部の「鉄道建設」が、どう見ても米中間の“大きな火種”になっているワケ【連載】方法としてのアジアンモビリティ(10)

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急速に変化・成長する経済圏として、世界的に注目されているアジア。この地域発のモビリティ・アプローチが、今後の経済において重要な役割を果たすことはいうまでもない。本連載では、アジアにおけるモビリティに焦点を当て、その隆盛に迫る。

中国のアフリカ鉄道建設

『一帯一路』構想図。六大経済回廊(画像:ジェトロ)
『一帯一路』構想図。六大経済回廊(画像:ジェトロ)

 いま西側諸国が巻き返しを狙うこの地域において、鉄道建設を主導してきたのは

「中国」

である。ザンビアが1964年に独立して以来、中国は同国との関係を深化させ、「タンザニア・ザンビア鉄道」(タンザン鉄道)を建設してきた。アンゴラからコンゴ、ザンビアを経由して東岸のタンザニアにまでつなぐプロジェクトだ。

 総延長1860kmに及ぶタンザン鉄道は、中国が延べ5万人以上の労働者を派遣し、5年以上の歳月を費やして1976年に開通した。スワヒリ語で「自由の線路」と呼ばれており、中国にとっては「アフリカ解放に対する中国の支援」を象徴する存在となっている。

 一方、アンゴラの大西洋岸にあるロビト港とコンゴのルアラバ州を結ぶ「ベンゲラ鉄道」を建設したのも中国だ。総延長1344kmに及ぶベンゲラ鉄道は、もともとポルトガルの植民地時代の1929年に開通したが、アンゴラ内戦によって破壊され、1975年に運転休止となった。ベンゲラ鉄道は中国の支援によって2014年に開通し、さらに2019年にベンゲラ鉄道とタンザン鉄道が接続され、アフリカ大陸横断鉄道が実現している。

 中国は、この地域で鉄道建設を進める一方、重要鉱物の権益を確保してきた。1997年には、中国有色鉱業集団有限公司(CNMC)がカッパーベルトに位置するチャンビシ鉱山の権益を獲得した。

 こうしたなか、欧米諸国はカッパーベルトの資源確保のチャンスをうかがってきた。米国が、中国と蜜月関係にあったザンビアとの関係を強化するきっかけは、同国が2020年11月に債務不履行(デフォルト)に陥ったことだ。

 ザンビアは一帯一路を推進する中国から巨額の融資を受けてインフラ建設を進めてきたが、債務が膨張し、財政が行き詰まった。こうしたなか、2021年8月の大統領選挙で、野党のハカインデ・ヒチレマ氏が勝利したのである。

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