昭和レトロな「アーケード商店街」を復活させるためには何が必要か

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日本のアーケード街の多くは、昭和の高度成長期に完成した。当時としては革新的であり、多くの商店街が導入を競った。しかし、現在はシャッターを閉めたままの店が多く、昼間でも薄暗い商店街も少なくない。

モビリティ変化への対応

アーケード商店街(画像:写真AC)
アーケード商店街(画像:写真AC)

 この例をもとに考えれば、アーケードの撤去やリニューアルだけでは商店街の活気を取り戻すことは困難であることが伺える。

 その根本には、

・商店街自体の価値提供
・地域コミュニティーの構築
・市民や観光客にとっての魅力向上

といった、より深い問題解決が求められている。

 さらに、商店街へのアクセスも新たに検討していく必要があるだろう。近年、交通やモビリティの進化が商店街のアクセス性を変化させている。

 例えば、都市部では、鉄道やバスを中心とした公共交通が商店街への主要なアクセス手段として利用されている。近年のシェアリングエコノミーなど、新たな移動手段が商店街の来客層を増やす要因となっている。

 例えば都市部では、鉄道やバスを中心とした公共交通機関が、商店街への主なアクセス手段となっている。近年のシェアリングエコノミーのような新しい交通手段も、商店街への足を増やす要因となっている。

 地方では公共交通機関が少なく、自家用車が主な移動手段であるため、商店街の駐車場の有無や利便性は来街者数に大きな影響を与える。自動運転車が普及すれば、商店街へのアクセスはさらに改善され、より多くの人が商店街を訪れるようになるだろう。交通弱者向けの買い物バスを運行したり、一定額以上の買い物でバスの無料乗車券を発行したりする取り組みは、すでに全国の商店街で実施されている。

 こうしたモビリティの変化を踏まえ、商店街はアーケードの有無や改修方法だけでなく、アクセスや交通手段の最適化、地域の特性やニーズに合った再生策を模索する必要があるのではないだろうか。

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