昭和レトロな「アーケード商店街」を復活させるためには何が必要か

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日本のアーケード街の多くは、昭和の高度成長期に完成した。当時としては革新的であり、多くの商店街が導入を競った。しかし、現在はシャッターを閉めたままの店が多く、昼間でも薄暗い商店街も少なくない。

リニューアルと商店街の活性化

三重県津市の大門大通り商店街(画像:写真AC)
三重県津市の大門大通り商店街(画像:写真AC)

 アーケードを撤去することなく、人の流れを取り戻している例は他にも存在する。

 広島県呉市の中心商店街・呉中通商店街では、2016年から約1年の期間でアーケードを維持したまま街路の改修工事が実施された。この改修の前後での調査によれば、調査地点による差異は認められるものの、最大で通行量は23%増加し、この街路改修が人流を呼び戻す効果があったことが示唆されている(今田寛典・王宇「アーケード商店街の街路改修が来訪者に及ぼす影響に関する調査研究 -呉中通商店街を事例に-」『広島文化学園大学ネットワーク社会研究センター研究年報』第12巻1号)。

 これらの調査結果は、「アーケードの存在の是非」よりも、

「まちづくりをどう進めるか」

が課題であることを示している。

 アーケードを撤去しても、その後のプランが明確でない限り、にぎわいは戻らないのである。筆者(碓井益男、地方専門ライター)が訪問経験のある三重県津市の大門大通り商店街を例に挙げよう。

 この商店街は、津市の象徴である津観音前の通りに位置している。アーケードが設置されたのは1964(昭和39)年であるが、時がたつにつれて商店街の活気は失われてきた。人々を引き寄せるためのリニューアル策として、1992(平成4)年には路面にタイルが敷かれた。

 しかし、これが客足を増やす効果はなく、2018年には老朽化したアーケードが撤去された。その後、タイル舗装された部分は歩行者専用道として維持されていたが、現在ではタイルも撤去し、車両通行を許可することで商店街の再活性化を目指している。

 これはリニューアルが不発に終わり迷走している事例だ。この商店街は、津観音の門前町ではあるものの、飲食店を除けば日中に営業している店の数は少ない。買い物ができる店が少ないのだから、にぎわいが戻らないのは当然といえるだろう。

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