「線路侵入」「路上駐車」 ネットで嫌われまくる“撮り鉄”がイメージ回復にやるべきこととは

キーワード :
,
立ち入り禁止の鉄道用地に侵入してカメラを構えたり、撮影に邪魔だからと樹木を勝手に伐採したり、「撮り鉄」の評判がとても悪い。今回はどうすれば鉄道撮影を「社会的で持続的な存在」にできるか、考える。

鉄道利用も考え、まずは歩いてみる

歩く人(画像:写真AC)
歩く人(画像:写真AC)

 とはいえ、地元にお金を落とせば問題が解決されるわけではない。車の密集という問題は依然として残るからだ。

 消極的な解決策からいえば、車は離れたところに止め、

「撮影場所まで歩いて移動する」

ことだ。さらに話を進めれば、車を利用しない選択肢も考えたい。確かに車は楽だし、重い撮影機材を背負って歩くのは難儀だ。駅から歩いて行くのも面倒だ。そもそもローカル線は列車の本数が少なく、利用しづらい。車で楽に移動したい気持ちもよくわかる。

 けれども、鉄道が好きで撮影しているのならば、列車の揺れに身を任せ、車窓風景を眺める楽しみも実感してほしい。まして、ローカル線の存廃が議論されている昨今である。ひとり分でも「輸送人員」の増加に貢献したい。

 駅から歩く距離が長いようならば、タクシーや路線バス、レンタサイクルを使う手もある。北海道のような、1日に数本しか列車が走らず、また駅間の距離も十数kmと長く、路線バスもないような場所では、さすがに徒歩は厳しい。もちろん、そんなときは車を使えばいい。ただレンタカーを併用しつつ、時間をつくって「乗り鉄」も楽しみたい。

 大切なことは「歩くこと」だ。駅から、あるいは駐車場所から歩くことで、「定番」以外のアングルを見つけ、独自性の高い写真が撮れるかもしれない。

 地元の人と擦れ違うときはあいさつをしよう。鉄道という社会的な存在を趣味の対象とする以上、撮影者自身も社会性を身に付けることだ。それだけで撮り鉄の印象は変わるし、旅の楽しみにもなるだろう。冒頭に述べた「いとおしさ」を感じるために、少しばかり、撮影のスタイルを変えてみてはどうだろうか。

全てのコメントを見る