“撮り鉄問題”海外ではどう? トラブル続発は日本特有か 事業者とファンの付き合い方
一部の鉄道ファンの行き過ぎた行為が目立ち、社会問題化している“撮り鉄”のマナー。これは日本だけの問題なのか。海外ではあまり表だって取り沙汰されなかった鉄道ファンの暴走行為が、大きく報じられる事態も起こっている。
鉄道会社が撮り鉄トラブル抑制に乗り出す

2021年11月、「撮り鉄の皆様へ告知です」というキャッチコピーと共に始まった、JR東日本の鉄道ファン向け会員サービス「撮り鉄コミュニティ」。撮り鉄という言葉を鉄道会社が自ら使ったサービスを打ち出したことでも話題を呼んだ。
鉄道営業において直接的に利益を生み出すわけではない趣味の分野において、本来であれば鉄道会社側がサポートをする理由などは無さそうだが、一つの狙いとしてトラブルの抑制という側面もあるとのこと。撮り鉄のマナーについては、多くの鉄道会社が頭を悩ませていることだろう。ただ、撮影禁止など厳しい制限を設ければ、その目を盗んで撮影しようとさらに過激な行動へ移る可能性もあり、それなら撮り鉄が満足できるような道を共に探っていく方が得策ではないか、と考えたわけだ。
昨今、日本では列車の撮影を楽しむ鉄道ファン、いわゆる「撮り鉄」のマナーが社会問題となっている。撮影の邪魔になるという理由で、他人に対し大声で罵声を浴びせたり、線路内や私有地といった立入禁止場所へ不法侵入をしたり、といったことがたびたび報じられている。当然、撮り鉄に対する世間の目は日に日に厳しくなっており、鉄道趣味全体のイメージダウンにもつながっている。
なぜ、これほどまでに撮り鉄のトラブルが多く、顕在化しているのか。そして、これは日本だけの特殊な事情なのだろうか。