「転勤」はもはや時代遅れ? 終身雇用崩壊で露呈したモーレツ社員のホンネ、リモワ普及でとどめ刺された昭和・平成の残渣とは
高度成長期以降、日本では企業が社員に転勤を命ずるのが当たり前だった。しかし、状況は大きく変わった。これまでを振り返る。
単身赴任者が増えたワケ

単身赴任が選ばれた理由として、
「交通機関の発達」
は欠かせない。東海道新幹線の開通や飛行機の大衆化により、都市間の移動時間が短縮された。その結果、単身赴任していた人のなかには、週末を自宅に戻って過ごす人が増えた。
例えば、1970年代には「東チョン(東京チョンガー)族」と呼ばれる単身赴任のサラリーマンたちがいた。大阪に本社がある会社から東京の支社に出向し、単身赴任していたサラリーマンたちである。サラリーマンの多くは毎週末に関西の自宅に戻り、家族と過ごしていた。大阪~羽田間で空路を利用すれば、短時間で移動できたからだ。
1975(昭和50)年頃、毎週月曜日午前7時30分に大阪空港を出発するJAL102便は、そんな乗客のために注目された。羽田到着は午前8時25分なので、乗客は午前9時30分には東京都心の職場に到着できる。しかし、当時は週休2日制以降ならいざしらず、土曜日は出勤日だった。
つまり、土曜日に退社したら、急いで羽田に向かい、飛行機で大阪へ。日曜日は家族と過ごし、月曜日の早朝に東京に戻る。かなりハードなスケジュールで、交通費は自腹だった。