大都市圏の「終電」はいつから深夜遅くになったのか? コロナ以前は0時台でも大混雑、意外と古くない歴史をたどる

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ヤフーの調査で、終電を逃す人の割合が多い駅は「水道橋駅」ということがわかった。そういえば、終電はいつから遅い時間になったのだろうか。

終電を逃す人の割合が多い駅は「水道橋駅」

深夜の駅のイメージ(画像:写真AC)
深夜の駅のイメージ(画像:写真AC)

 ヤフー(東京都千代田区)が3月6日、同社提供の事業者向けデータソリューションサービスで「Yahoo!乗換案内」アプリと「Yahoo!検索」のデータを使った「終電リポート」を公開した。

 同リポートには、

「電検索者数が多い駅(出発駅指定された駅)を調べると、「新宿」「渋谷」「東京」など、路線数が多い主要駅が上位にランクインしています。一方、終電の出発時刻以降に終電を検索した状況を“終電逃し”と推定し、終電検索者に占める“終電逃し”割合を分析すると、“終電逃し”割合が高い駅の1位に「水道橋」、3位に「後楽園」と東京ドームの最寄り駅が上位にランクインしました」

とある。3位以降は、

・幕張
・武蔵関
・古河
・本川越
・深谷

が続く。これらの結果について、同社は

「東京ドームでの各種イベントに参加し、終了するまで参加した結果、終電を逃してしまうケースが多かったものと推測されます。その他には「海浜幕張」「古河」「本川越」など、路線の終着駅となり得る駅がランクインし、電車内で寝過ごして終着駅まで来てしまい終電が無くなってしまった…といった状況が想像できる結果となりました」(同リポート)

と分析している。

終電の深夜化は1980年代から

昭和時代にメジャーだった黒電話(画像:写真AC)
昭和時代にメジャーだった黒電話(画像:写真AC)

 さて、そんな終電も新型コロナウイルス感染拡大を通して、その様相を変えている。

 かつて、終電時刻が近くなると路線は家路に急ぐ人で大いに混雑したが、感染拡大が一段落した現在、以前ほどの混雑は見られない。

 多くの鉄道会社でも、感染拡大が始まった2020年に行った深夜帯の運行本数削減がそのまま定着している。そして、乗客数はコロナ禍以前まで回復せず、運行本数が再び増加することもないという見通しが語られている。しかし、本当に今後も同じ状況が続くのだろうか。

 深夜でも多くの電車が運行し、車内は混雑している――という光景が一般化したのは、日本経済の成長が著しかった

「1980年代」

からだ。大都市圏の終電を遅くする動きにまず取り組んだのは、国鉄だった。

 民営化を前にサービス向上を検討していた国鉄では、1986(昭和61)年11月のダイヤ改正で、首都圏各線の終電の大幅繰り下げを実施している。それまで最終が東京駅発23時1分発だった中央線快速は、最終を0時に繰り下げ、23時台に3本が設定された。

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