河野デジタル大臣が「ライドシェア導入」の旗を必死に振り続けるワケ【連載】方法としてのアジアンモビリティ(7)

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急速に変化・成長する経済圏として、世界的に注目されているアジア。この地域発のモビリティ・アプローチが、今後の経済において重要な役割を果たすことはいうまでもない。本連載では、アジアにおけるモビリティに焦点を当て、その隆盛に迫る。

「既得権益」から「新たな利権」へ

「新たな利権」のイメージ(画像:写真AC)
「新たな利権」のイメージ(画像:写真AC)

 ライドシェア導入に当たっては、安全と安心が確保できるのかという観点から慎重な議論をする必要があるのではないか。全国ハイヤー・タクシー連合会も、次のように主張している。

「安全と安心が担保された輸送サービスの提供が地域公共交通としてのタクシーの役割で、さまざまな法令順守や安全管理のための現場努力が日夜繰り広げられている。安全・安心に関する問題点が多いライドシェア解禁は、日本における輸送サービスの根幹を揺るがす」

 ところが、ライドシェア推進派のなかには、タクシー業界が高齢の運転手にまで依存していることを指摘し、

「一定以上の運転経験がある一般乗用車の運転手であれば、プロとアマの能力差はない」

とする議論がある。

 しかし、タクシー業界では運転者の労働時間をきちんと管理し、運転者の健康状態を把握し、疲労、飲酒等をチェックしている。また、車両の整備、安全点検も厳しい基準が義務づけられている。そもそも、ライドシェアではこうした運転者や車両に対する厳格な管理やチェックができない。

 また、ライドシェアには、

「評価制度(レーティングシステム)があるから安全が担保される」

という主張があるが、その評価は乗客の主観にもとづくものであり、客観的な評価ではない。

 さらに、ライドシェアを導入しない日本は遅れているという議論があるが、一度ライドシェアを導入したものの、さまざまな問題に直面して、禁止か再規制されている国も少なくない。そもそも、ライドシェアが普及している国は、タクシーの質が悪かった国に限られているのではないか。

 ライドシェア推進派は、タクシー業界が「既得権益」を守ろうとしていると反論する。しかし、推進派がライドシェア導入の議論を急ぐ背景にも、

「新たな利権」

があるのではないかとの声も出てきている。

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