河野デジタル大臣が「ライドシェア導入」の旗を必死に振り続けるワケ【連載】方法としてのアジアンモビリティ(7)
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急速に変化・成長する経済圏として、世界的に注目されているアジア。この地域発のモビリティ・アプローチが、今後の経済において重要な役割を果たすことはいうまでもない。本連載では、アジアにおけるモビリティに焦点を当て、その隆盛に迫る。
アジア各地では社会問題化

しかし、三木谷氏が産業競争力会議を退いてからも、規制改革推進派はライドシェア解禁を主張し続けてきた。例えば、竹中平蔵氏は2016年11月の未来投資会議でライドシェアなどについて、
「先行する特区での取り組み、国際的な規制動向など、新たな状況変化に機動的に対応して制度設計する必要がある」
と主張した。
三木谷氏が率いる新経済連盟も、ライドシェア解禁を国土交通大臣などの関係大臣宛てに訴え続けてきた。そして今、河野大臣がライドシェア解禁の旗を振るのは、
「三木谷氏らの要望に応えようとしているからではないか」
という疑いもある。
河野大臣だけではなく、自由な競争と規制改革を強く主張してきた菅義偉(よしひで)前首相や小泉進次郎元環境相も、ライドシェアの導入を度々訴えてきた。しかし、ライドシェア導入に慎重な意見が根強いのは、ライドシェアを導入したアジア各地ではさまざまな問題が生じているからだ。
例えば、2014年にはインドのデリーでウーバーの運転手が乗客を性的暴行したとして逮捕され、同社は営業停止に追い込まれている。一方、2018年には中国で滴滴出行(DiDi Chuxing)のドライバーによる乗客殺害が続き、同社はドライバーに対する徹底的な調査などの改善措置を迫られた。