タクシー業界は本当に「既得権益」なのか? ライドシェア議論活発化&神奈川版構想登場で改めて問う

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一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア」。神奈川県の黒岩祐治知事が県内で「神奈川版ライドシェア」を実施する構想を示し、さらなる注目を集めている。

黒岩知事が打ち出した「神奈川版ライドシェア」

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「ライドシェア」。神奈川県の黒岩祐治知事が県内で「神奈川版ライドシェア」を実施する構想を示し、さらなる注目を集めている。

 神奈川版ライドシェアは、黒岩知事が9月17日に出演したフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」で示したものだ。番組内で黒岩知事は、観光客が回復したことで観光地でタクシーの確保が困難になっている問題を提起し、ライドシェアの解禁に言及した。

 なお、神奈川版ライドシェアとは次のとおりだ。

・運行管理はタクシー会社が行う
・時間帯・地域を限定する
・一般のドライバーをタクシー会社が面接して登録し、研修も行う
・利用者による評価制度を導入する
・使用する車両(自家用車)は、タクシー会社が車両を認定し、安全管理を実施する
・車両には、ドライブレコーダー、配車アプリ、任意保険などを実装する

 実は現在、神奈川県では不思議なほどにライドシェアの実現を求める政治家の発言が増えている。

 口火を切ったのは、菅義偉(よしひで)前首相だ。菅は8月19日に長野市で行った講演で

「観光地が悲鳴を上げている」

として、ライドシェア導入の必要性を提言している。これに続いて、河野太郎デジタル相、小泉進次郎元環境相が相次いでライドシェアの導入に意欲を示す発言をした。2021年の自民党総裁選に立候補した河野氏と、これを支持した菅と小泉氏は、いずれも神奈川県内が地盤だ。黒岩発言の背景との無関係とは思えない。

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