タクシードライバー月収「2割減」の衝撃 コロナ対応などで事業者崖っぷち、もはや運賃改定待ったなしだ!
値上げ相次ぐタクシー料金
国土交通省関東運輸局が2022年3月、東京都内(23区・武蔵野市・三鷹市)のタクシー運賃改定審査を始めることを発表した。早ければ10月下旬にも値上げが実施される予定だ。
タクシー料金を巡っては、東京以外でも各地で値上げの動きが続いている。背景にあるのは燃料費の高騰に加えて、
・キャッシュレス決済
・感染対策費
などが増加したためだ。経費を料金に転嫁せざるを得ないタクシー業界、その現状はどうなっているのか。
コロナ禍で月間給与「約2割」減少
国土交通省のハイヤー・タクシーに関する統計は、2019年度分までしか公表されていないため、コロナ禍でのタクシー業界を概観するデータとなるのは、全国ハイヤー・タクシー連合会(東京都千代田)が公表している「タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」だ。
2022年4月に公表された2021年度のタクシー運転者の賃金・労働時間を見ると、全国平均で月間給与は22万5300円で、前年度比2.9%減少している(毎年6月で比較)。年間給与は270万3600円で2.9%減少、年間賞与(賞与・期末手当)は10万400円で52.4%の減少となっている。
これだけ見ると、減少額はさほど大きくない。ところが令和2年度の月間給与(6月)は23万2100円で、前年度比
「17.6%減少」
となっている。
つまり、新型コロナウイルス感染拡大以降、タクシー業界では平均して約2割の給与の減少が起きているのだ。さらに、タクシー業界はコロナ禍での社会変化に対応した動きも迫られている。
中でも強力に進められているのが、コロナ禍で著しく普及したキャッシュレス決済への対応だ。コロナ禍以前から、クレジットカードや交通系ICカードでタクシー料金を支払うことができる車両は多かった。これにQRコード決済を加えて、タクシーで現在、ほぼ例外なくキャッシュレス決済が使えるようになりつつある。