タクシー業界「新卒採用」大幅増は本当にめでたいのか? データの裏にあった、絶望的「人材不足」と「地域偏重」
新型コロナウイルスの感染拡大でタクシー業界は大打撃を受けたが、その一方、新卒でタクシー運転手になる若者が増えている。業界にとって本当に明るいニュースなのか。
4年で約2割増えた新卒者採用数
新型コロナウイルスの感染拡大でタクシー業界は大打撃を受けたが、その一方、新卒でタクシー運転手になる若者が増えている。
全国タクシー・ハイヤー連合会の「定時制乗務員数・新卒乗務員採用状況」調査によると、2017年に全国で780人だった新卒者採用数(卒業後3年以内)は、2021年に18%増となる
「924人」
まで増加している(2019年は1078人)。なお ハイヤー・タクシー、自動車教習所、観光バス労働者の組合で組織される自交総連の統計によると、全国のタクシー運転者の総数は24万494人(2020年時点)となっている。
東洋経済オンラインが8月23日に配信した記事では、都内の主要タクシー5社、
・日本交通(千代田区)
・国際自動車(港区)
・大和自動車交通(江東区)
・帝都自動車交通(中央区)
・日の丸交通(文京区)
の合計の新卒採用者は2022年491人と、この10年で約20倍に増えているとしている。このことからも、コロナ禍で多くの業界が低迷するなか、タクシーは将来有望な職業と見られているようだ。