「聞こえるのは波の音だけ」 ヤマハの電動操船システムを体験 屋形船にもイイ?
ヤマハは欧州のボート市場で次世代操船システム「HARMO(ハルモ)」の販売を開始しようとしている。電動推進ユニットを中心に高い静粛性と操船性を持つこのシステムは、これまでのエンジンには無かった高い実力を秘めている。
日本では「エコよりエコに」を目指し実証実験に採用

日本では2020年8月から、北海道小樽市にある小樽運河クルーズのボート「カナル7号」(最大旅客人数42人)にHARMOの試作品を搭載し実証運航を行っている。
小樽運河クルーズは主にエコなバイオディーゼルを燃料としていたが、排気ガスを一切出さない、より環境に優しい電動の「カナル7号」を導入。同社は「モーター音も静かなので、乗りながら、よりいっそう水の音や風の音を楽しむことができる」とアピールする。
ヤマハ発動機の前島氏は「乗船客からは従来のディーゼルエンジン船にあった、音とか臭いがなく、静かで会話ができると好評な声をもらっている」と話す。引き続き2022年の春から夏にかけ、実証運航を続けていくことを計画しているという。
その静粛性と操船性の高さは、屋形船など食事とクルーズを楽しむ小型の観光船との相性が良く、HARMOが採用される可能性がある。
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