「聞こえるのは波の音だけ」 ヤマハの電動操船システムを体験 屋形船にもイイ?

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ヤマハは欧州のボート市場で次世代操船システム「HARMO(ハルモ)」の販売を開始しようとしている。電動推進ユニットを中心に高い静粛性と操船性を持つこのシステムは、これまでのエンジンには無かった高い実力を秘めている。

「HARMO」欧州で先行受注 2022年投入

ボートに取り付けられた電動推進ユニット(深水千翔撮影)。
ボートに取り付けられた電動推進ユニット(深水千翔撮影)。

 ヤマハ発動機は次世代操船システム「HARMO(ハルモ)」を開発した。電動推進ユニットとステアリングシステムなどを統合したもので、すでに欧州で先行受注を開始しており、2022年春から同地域で販売する。

「HARMOとマッチしたボートデザインや性能をボートビルダーと共同で開発し、パッケージングで市場に投入していきたい」。ヤマハ発動機の前島将樹氏(マリン事業本部企画統括部技術戦略グループ主務)はこう意気込む。

 電動モーターを動力とする推進器ユニットと、動作を制御するリモートコントロールボックス、直感的な操作を可能とするジョイスティックなどで構成された「次世代操船システムプラットフォーム」がHARMOだ。環境意識が高まる欧州を中心に市場を想定し、電動モーターで推進力を得るだけでなく、ボートをより簡単に操船できるようにするというコンセプトで開発が行われている。

 推進器ユニットは、プロペラをその周囲に搭載したモーターで駆動させるリムドライブ方式を採用した。リムドライブ方式は減速ギアが無く、無接点でプロペラを回転させるため、強いスラスト(推進力)を得ながらも高い静粛性を実現できる。

「従来のエンジン型船外機だと動力の音がどうしても聞こえるが、HARMOの推進器は波をかき分ける音しか聞こえない。乗船者同士の会話も弾むようになる」(前島氏)

 さらに、狭いところをより簡単に操船できるようにするため、通常の船外機に比べて舵の角度を2倍以上変えることができる大舵角のステアリングユニットを搭載。ジョイスティックを使用して直感的にボートを操ることが可能で、ハンドルを回さなくても、片手でその場での回頭が可能となっている。2機掛けでは、ジョイスティックを横に倒すだけで、横方向へ移動できる。