まるで高級ホテル? 「SA」「PA」のトイレが近年やたらとゴージャスになっているワケ
日本道路公団が民営化され、NEXCO中日本(愛知県名古屋市)が発足した。民営化によって、顧客サービスの見直し機運が高まった。その最重要項目のひとつが「トイレの美化・充実」だった。
トイレは「旅の一部」

2005(平成17)年10月1日、日本道路公団が民営化され、NEXCO中日本(愛知県名古屋市)が発足した。民営化によって、顧客サービスの見直し機運が高まった。その最重要項目のひとつが「トイレの美化・充実」だった。
従来、高速道路のサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)のトイレは公園の公衆トイレのような扱いで、“使えればいい”というレベルだった。しかし同社は、乗客が休憩施設に立ち寄る主な理由がトイレにあることに気づき、安心して利用できる場所として、設備や清掃方法を大幅に変更した。
新しいコンセプトに基づく“トイレ革命”は、2008年に東名高速道路の日本平PA(静岡県静岡市)で採用され、多くの利用者から支持された。また、マスメディアを通じて社会全体からも好意的に受け止められている。
当初は、トイレの改善に多額の費用がかかることを懸念する声もあったが、次第に社内の風潮に変わっていった。それ以来、新しいコンセプトに基づいてトイレの新設や改修が行われてきた。現在、清潔で便利なだけでなく、ゴージャスでエレガントなものとなり、旅行で必ず訪れたいスポットのひとつに挙げられるほど注目を集めている。
NECXO中日本の担当者は「トイレも旅の一部であり、お客様をおもてなしの心でお出迎えしたい」と語り、サービスの充実に努めている。