京都を襲う「タクシー絶対不足」 観光公害でお盆も大混乱、「全然捕まらない」と悲鳴が上がった一部始終とは
西日本各地でお盆の間、「タクシーが来ない」という悲鳴が相次いだ。乗務員不足が原因で、かつてない酷暑の中、観光客がタクシー乗り場で待ちくたびれる姿が目についた。
タクシー乗り場で外国人観光客ぐったり

西日本各地でお盆の間、「タクシーが来ない」という悲鳴が相次いだ。乗務員不足が原因で、かつてない酷暑のなか、観光客がタクシー乗り場で待ちくたびれる姿が目についた。京都市東山区の五条坂タクシー乗り場。酷暑の昼下がり、清水坂を下ってきた観光客が立ち尽くしていた。シンガポールからやってきた年配の女性ふたりで、額から滝のような汗を流しながら、「信じられない暑さなのに、タクシーがなかなか来ない」とぐったりした様子。20分ほど待ってタクシーが来ると、買い物をあきらめて宿泊先のホテルへ走り去った。
五条坂は京都を代表する観光地の清水寺へ向かうコースにあるが、大型バスがやってくるとすれ違うのがやっとの細い道が続く。坂の途中では渋滞に巻き込まれたタクシーが立ち往生していた。タクシーが捕まりにくいことから、下京区のJR京都駅から30分ほどかけて清水寺まで歩く外国人観光客もいる。
京都の夏は本来、春や秋に比べると観光客が少ない時期だが、この夏は円安からか、大勢の外国人観光客が押し寄せ、ターミナル駅や有名観光地を埋め尽くした。そんな外国人観光客を悩ませたのが、タクシーが捕まりにくいことだ。
京都駅前では、新幹線や新快速が到着するたびに、烏丸口のタクシー乗り場に長い列ができる。オーストラリアからベビーカーの赤ちゃんを連れて来日した若いカップルは、50人ほど並んだ列の最後尾で
「暑いから余計にイライラする」
と苦笑いしていた。