京都を襲う「タクシー絶対不足」 観光公害でお盆も大混乱、「全然捕まらない」と悲鳴が上がった一部始終とは

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西日本各地でお盆の間、「タクシーが来ない」という悲鳴が相次いだ。乗務員不足が原因で、かつてない酷暑の中、観光客がタクシー乗り場で待ちくたびれる姿が目についた。

別府市は代替のナイトバス運行へ

休車扱いの車両が留め置かれた徳島市のタクシー事業所(画像:高田泰)
休車扱いの車両が留め置かれた徳島市のタクシー事業所(画像:高田泰)

 乗務員不足が深刻さを増しているのは京都市だけでない。全国ハイヤー・タクシー連合会(全タク連)が6月末時点の法人タクシー乗務員数を全国集計したところ、23万2902人と、2019年3月末の29万1516人から6万人(20%)近く減ったことが分かった。影響は各地で出ている。

 徳島県では徳島市の阿波(あわ)踊り期間中、演舞場周辺でタクシーが見つからずに困惑する県外客が目についたほか、松茂町の徳島空港に待機車両が不足しているとして事前予約を求める異例のメッセージが張り出された。

 その一方で、徳島市の大手事業者駐車場では約40台の車両が休車扱いになって留め置かれていた。この会社では4年前に約120人いた乗務員のうち、約40人が離職した。留め置かれた車両は離職者が乗務していたもので、配車担当者は

「この夏は人手不足で配車依頼に応えきれなかった」

と残念がる。

 大分県は県内のタクシー乗務員がこの3年間で20%減少した。2022年末の乗務員数は1766人で、県内の車両数1895台を下回る。その結果、別府市は夏前から夜になると飲食店が並ぶ駅前通りなどでタクシーが捕まらない状態に陥っている。

 このため、別府市は25日から代替策のナイトバス運行を始める。市中心部の3ルートを金曜と土曜の2日間、22時台から24時台に計7便走らせる計画だ。別府市政策企画課は

「今後、中国人観光客が増えれば、これまで以上に厳しい状況になる。行政と事業者が協力して乗り切るしかない」

と語った。

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