バッテリーEVはまだまだ“買い時”ではない、これだけの理由 まず考慮すべきは「総所有コスト」である

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BEVのバッテリーは車両価格の30~40%を占めるが、ICE車とのコストの違いはそれだけではない。総所有コストという指標がある。今回はこれを解説する。

高価なBEVの修理費

BEVの修理総額平均値はICEに比べて2000ドル以上高い(画像:CCCインフォメーションサービス)
BEVの修理総額平均値はICEに比べて2000ドル以上高い(画像:CCCインフォメーションサービス)

 そもそも、BEV用モーター特有の瞬間的な高トルクは、衝突の可能性と損害の程度を高める。中国の東方新報は

・ボルボBEV(618万円):シャシーとバッテリーパックの交換費用が1112万円
・テスラY(577万円):リアドアやテールランプの修理費用が412万円
・蔚来汽車(NIO):タイヤのパンクとホイールの修理費用が288万円

など、高額なBEVの修理費用が発生する例を伝えている。中国乗用車市場情報連合会は

「高額な修理費は一時的な現象で、BEVの売り上げが増えれば次第に落ち着く」

と楽観的である。

 シカゴに本社を置き保険など自動車のアフターマーケット関連事業を手掛けるCCCインフォメーションサービスは、BEVの修理費はICEより平均28万円以上高いと報告し、その理由として、修理が難しく、交換部品が高価で、作業時間が長いと説明している。具体的には、

・車両の四隅にまたがるバッテリーパックは損傷しやすく、修理が困難で、交換時には多くの安全手順が必要となる。
・先進運転支援システム(ADAS)は衝撃に弱く、修理にはスキャンなど多くの専門機器と作業が必要となる。
・アルミや複合材などの軽量素材の使用率が高く、高価で修理が難しい。
・テスラの「ギガプレス」のようなコスト削減のための一体構造により、交換規模が増大する。

などが修理費を高める要因だ。

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