バッテリーEVはまだまだ“買い時”ではない、これだけの理由 まず考慮すべきは「総所有コスト」である
BEVのバッテリーは車両価格の30~40%を占めるが、ICE車とのコストの違いはそれだけではない。総所有コストという指標がある。今回はこれを解説する。
当面下げ止まるBEVの残価率

前述のオートトレードによると、2023年3月時点の1600km走行あたりの維持費では、BEVはICEより86ポンド(約1万5600円)安い。
また同サイトの「Road to 2030」によると、3年/4万8000km走行後の平均残価率(買い取り価格/新車価格。単位%)は、2020年から2021年まではICEとBEVが拮抗(きっこう)していた。
しかし、2022年になるとBEVが急上昇し、11月には67.7%を記録、その後60.2%に急落。3月に65.3%まで上昇したICEに逆転された。BEVの新車価格はICEより平均約37%高いが、中古市場で手頃な価格のBEVが供給されたため、販売が好調に推移したためである。
2023年には供給台数が前年比258%と急増し、需給バランスが崩れて価格崩壊が起きた。英国中古車市場の専門家は、BEVの残価率は当面は下げ止まると見ている。
ところで、バッテリーは長期間の所有で劣化する。現在のバッテリーは、充電可能容量が80%を下回ると交換が必要になり、車両の残存価値が低下する。
バッテリーの劣化は充放電方法やセル温度の影響を受けるが、米国では、自動車メーカーの保証義務である「8年/16万km」を超えた場合、ユーザー負担となる。