「車検ステッカー」貼り付け位置の変更、どう見ても国交省の“思い付き”レベルだ
国土交通省自動車局整備課は7月3日、自動車検査標章(車検ステッカー)の貼り付け位置変更を発表した。変更に意味はあるのか。
位置変更は「思い付きレベル」

今回の変更にともなって製作された広報チラシには、上記の例外に関する記述も明記されている。しかし、それが現場の警察官等に周知徹底されるかどうかは甚だ疑問である。
今回の車検標章貼り付け位置の変更は、はっきりいって
「思い付きレベル」
でしかない、ずさんな措置といわざるを得ない。繰り返しになるが、ドライバーの視界の妨げになりかねない位置に余計な貼り付け物を増やすというだけで論外である。
無車検運行を防止するのであれば、最も有効なのは
・取り締まりの強化
・罰則の厳罰化
である。
前者については、“無意味な速度取り締まり”を行うヒマがあるなら、車検有効期間の確認を目的とした取り締まりを強化するだけでよい。
後者については、現時点で無車検車の運行が発覚した場合、6か月以下の懲役もしくは罰金30万円以下の刑事罰、行政処分としては違反点数6点の加算によって前歴なしでも30日間の免許停止処分を受けることとなる。しかし、これらの刑事罰や行政処分は甘い。厳しい罰則が控えていると周知徹底されれば、よほどのへそ曲がりでもない限り自車の車検有効期間について気に掛けるようになるだろう。
無車検で運行されている車両は、単なるうっかりからの忘れ以外に故意に車検を逃れている例もある。法的にはうっかりも故意も同じ違反である。
今回の変更はうっかり忘れてしまうことへの対策だが、そもそも自車の車検満了期間を忘れているという時点で論外だろう。やっていることは故意に車検を逃れている者と変わりがない。