「車検ステッカー」貼り付け位置の変更、どう見ても国交省の“思い付き”レベルだ
国土交通省自動車局整備課は7月3日、自動車検査標章(車検ステッカー)の貼り付け位置変更を発表した。変更に意味はあるのか。
無駄なあつれき生じないか

しかし、果たしてこれは妥当な変更といえるだろうか。
今回の変更に当たっては別に記載された注意書きがある。そこには
「上記位置で運転者の視野を妨げる場合は、運転者の視野を妨げない前方かつ運転者席から見やすい位置」
も認めるとある。すなわち注意喚起にはなる一方、視界の妨げになるかもしれないことも承知しているのである。
運転者が見やすいと感じるか、見にくいと感じるか、それはあくまで主観的な問題である。たとえ同じ車両であっても、ドライバーの体格の違いに起因する視線位置の違いによっても視界の印象は変わってくる。
そもそも従来のフロントガラス中央上部という位置は、過去に最も視界の妨げにならない位置として決定されたことは明らかだ。それに対して、いくら注意喚起のためとはいえ、視界の妨げになりかねない位置への変更は合理性に欠けるように思える。
あるドライバーが
「私のドライビングポジションと安全確認のやりかたでは、運転席側上部隅は視界の妨げになる。よって以前からの貼り付け位置とする」
としたとしよう。それを警察官などにとがめられた場合、無駄なあつれきが生じることにはならないのか。