三菱自動車・新卒「賞与2倍」の衝撃 待遇改善は朗報も、古参社員にメリットある? 今後は社内“年収格差”拡大か

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業績回復が続いている三菱自動車は、2023年の新入社員夏季賞与(一時金)を従来の約2倍の「最大30万円」に引き上げた。しかも、2023年入社社員から初任給も引き上げており、待遇改善による採用力強化が狙いのようだ。

三菱自動車が新入社員の待遇改善

三菱自動車のロゴ。2020年1月22日撮影(画像:EPA=時事)
三菱自動車のロゴ。2020年1月22日撮影(画像:EPA=時事)

 リクルートワークス研究所調査の2024年卒の新卒採用求人倍率は1.71倍まで高まり、コロナ以前の水準を取り戻している。少子化を背景とした構造的な人手不足時代が背景にある。

 就職みらい研究所の「就職白書2023」においては、採用目標を達成できた企業は

「約4割」

に過ぎず、まさに採用難時代と呼んでよい状態になっている。若手人材を確保するために各社はさまざまな施策を打って出ている。

 そんななか、業績回復が続いている三菱自動車(東京都港区)は、2023年の新入社員夏季賞与(一時金)を従来の約2倍の

「最大30万円」

に引き上げた。しかも、2023年入社社員から初任給も引き上げており、待遇改善による採用力強化が狙いのようだ。

これまでは「後払い」方針だった

給与明細のイメージ(画像:写真AC)
給与明細のイメージ(画像:写真AC)

 これに対して、既存社員が不満を持つのではないかと懸念されている。

 それは無理もない。これまで日本の伝統的な報酬スタイルは、入社直後の若手時代は低い報酬で我慢し、長年の会社への貢献をした後に、会社員生活の後半戦でそれまでの貢献を反映した高い報酬を後払いで得ることで生涯賃金的にはバランスを取るという方式だったからだ。

 そのために、既存社員は若手時代を自分の働き分よりは相対的に低い報酬で過ごしていた。

 それが採用難とはいえ、この伝統的スタイルをひっくり返して、新人のうちから「働いた分だけ支払う」という時価評価に変えるというのは、かなり大きな変化といえよう。

「単に初任給が上がった」

というだけの話ではないかもしれない。

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