三菱自動車・新卒「賞与2倍」の衝撃 待遇改善は朗報も、古参社員にメリットある? 今後は社内“年収格差”拡大か
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業績回復が続いている三菱自動車は、2023年の新入社員夏季賞与(一時金)を従来の約2倍の「最大30万円」に引き上げた。しかも、2023年入社社員から初任給も引き上げており、待遇改善による採用力強化が狙いのようだ。
社内格差拡大の引き金になる
もうひとつ出てきそうな動きは、
「報酬の社内格差」
を拡大させることだ。
一定の報酬原資を最も効果的に使うためには、メリハリをつけて、会社として高い処遇を与えたい人には高い報酬を、そうでない人にはそれなりの報酬をとすることだ。
そして、この「会社として高い処遇を与えたい人」というのが、
・なかなか採れなくなっている若手人材
・社内におけるハイパフォーマー
ということである。
この場合もまた報酬テーブルをいじることは難しいので、コントロールするのは評価分布となる。
つまり、これまでは「2:6:2」で「S:A:B」という評価をしていたところを、
「1:6:3」
などに下振れさせたり、S評価の上にSS評価とかSSS評価などを新設したりして、一部の人を高待遇できる仕組みにするのである。昇格率と同じく、評価分布がどう変わるかということも社員には知る由もない。
この変化を歓迎する人はいる
このように、新人の厚遇は、単純に報酬の底上げにつながるだけではなく(このこと自体は働く人々にとって大変喜ばしいことであるが)、報酬原資の配分の変化、すなわち
「若い人を厚遇して、シニアの報酬総額を減らす」
ことや
「評価にメリハリをつけることで、その結果報酬にもメリハリをつけ、社内報酬格差を拡大すること」
にもつながる可能性があるのではないかということだ。
これらの変化は、ある側面から見れば、
「待たなくても、頑張ったときに報酬がもらえる」
ということや
「頑張っている人がより厚遇される」
ことであるので、大歓迎だという人もいることだろう。