全国のSA・PAで頻発 物流トラックが停車できない「迷惑駐車問題」、ドライバーへの負担増で2024年問題に追い打ちか
個性的なSA/PAは近年増え、多くの来場者でにぎわっている。一方、大型車の駐車スペースで問題も起きている。
個性あるSA/PAが増加
高速道路や自動車専用道路に設けられている休憩施設といえば、サービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)である。それらはもはや日本の交通インフラにおいてなくてはならない存在でもある。
かつて、SA/PAはそれぞれ最低限のサービス施設を備えるだけだった。しかし近年では、民間資本が大々的に投入されたことで、
・名物となる食べ物
・オリジナルグッズ
などで、個性のあるサービスが提供されている例も多い。すなわちかつての素っ気ない官製ビジネスから正しい民間商業ビジネスへの転換が成功したということでもある。
SA/PAの運営において、人気の民間商業施設としての一面が高まったことは基本的には好ましいことである。ここでのビジネスに成功し利益を上げている企業、そこに勤務し報酬を得ている人たちにとってはなくてはならない存在だ。とはいえ人気の引き換えとして、一部の施設では観光ハイシーズン期を中心に深刻な混雑問題が表面化するようになって久しい。
休日に5万人以上が訪れる海老名SA下り線
ちなみに主要な高速道路のSA/PAはどのくらいの利用者数がいるのか。
東名高速道路、新東名高速道路、中央自動車道などを擁するNEXCO中日本が取りまとめたデータを見てみよう。数字は2021年10月1日から2022年9月30日までのそれぞれ1日をカウントし平均したもの。
最も利用者が多かったのは東名高速海老名SA下り線の
・平日:2万9000人
・休日:5万6000人
というものだった。
ランキング上位には新東名高速岡崎SA、海老名SA上り線、東名高速足柄SA下り線/上り線、中央自動車道談合坂SA下り線といった、ドライバーにとってはおなじみの施設が名前を連ねている。
いずれも、平日の利用者が1万5000人以上。休日ともなれば3万人近い人間が利用する人気SAである。