京葉線の中央線方面「延伸計画」 建設費は5000億円超? 国のお墨付きあっても経路図すら描かれない現実とは
30年以上前から有望視され、国も実現に前向きながら、いまだ具体的な経路予定図すら描かれない新線構想がある。それは、東京都心を地下で貫く「(JR東日本)京葉線の(同)中央線方面延伸」だ。
審議会答申でも「有望株」

30年以上前から有望視され、国も実現に前向きながら、いまだ具体的な経路予定図すら描かれない新線構想がある。それは、東京都心を地下で貫く「(JR東日本)京葉線の(同)中央線方面延伸」だ。
バイパス的役割で中央線、とりわけ快速電車のひどい混雑を緩和するのはもちろん、東京の多摩地区と京葉地域、さらには成田空港とを直結して速達性(アクセス時間の短縮)を飛躍的に高め、東京の国際競争力アップを図るのが狙いらしい。
だが、肝心のJR東日本は新線建設に必要な巨額投資に極めて慎重で、東京都も消極的である。
ただ、一部では
「今後猛烈さを増す国際都市間競争で東京が生き残るには、新線建設を今までのように鉄道会社任せにするのはおしまいにして、むしろ国主導で強力に推進すべきだ。同時に今や日本にとって国際競争力を保つ数少ない分野である土木・建築エンジニアリングの発展と伝承にとっても、トンネル工事が伴う新線建設は非常に大事だ」
との指摘もある。
この「京葉線西方面延伸」構想は、2016年4月に国交省配下の交通政策審議会がまとめた「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申(198号答申)でも
「有望株」
として名前が挙がっている。
同審議会は国交省内に設けられた有識者による調査・検討組織で、国交大臣の諮問(参考意見を求めること)に応じて報告書(答申)をまとめる。