毎年払う「自動車重量税」への疑念 古いクルマは存在すら“悪”なのか? 私たちが抗議を止めてはいけないワケ

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2023年も自動車税の納付が5月末に終わったが、日本の自動車関連税制に対して不満や不信感を抱いている自動車所有者は極めて多い。

自動車重量税の問題点

自家用車のイメージ(画像:写真AC)
自家用車のイメージ(画像:写真AC)

 これらはいずれも国が定める基準をクリアした環境性能に優れた車両は税制上優遇するというものである。基準をクリアすればいくばくかは安くなるのはよい。

 問題は「自動車重量税」において

「初年度登録からの使用期間が長い車両」

に対して重課税となっている点である。

 これはグリーン化特例やエコカー減税を通じて、環境性能に優れる新しい車両を優遇する代わり、それに反する車両の廃車を促進することが目的と思われる。しかしこれはいかように好意的に解釈しても

「無法」

以外の何物でもない。

 ここで問題とされる車両は、車検をパスしている限り道路運送車両法に適合した合法的な存在である。そもそも所有している車両をどのタイミングで手放すかは個人の自由であり、国がそれを無視し、あたかも廃車を強制するかの様な課税を行っていいはずがない。

クルマの数だけ存在する「物語」

自家用車のイメージ(画像:写真AC)
自家用車のイメージ(画像:写真AC)

 このことについては、わが日本の自動車文化を後世に正しく伝えるという意味でも問題がある。いわゆる歴史的に意義のある車両なら、欧米の多くがそうであるように、税制その他でむしろ優遇し保護すべきという考え方である。

 こうした主張は、自動車メディアなどでも昨今語られる様になっているが、筆者(中島高広、モータージャーナリスト)個人的にはそれだけでは十分ではないと考えている。

 あるクルマとそのオーナーとの間には、それこそクルマの数だけ物語と事情がある。客観的に見て、価値があるクルマではないかもしれない。

 しかし愛着のあるクルマだからこそ、大切に長く乗っている人もいるだろう。それほどクルマに思い入れはないものの、経済上の理由から長く乗らざるを得ない人もいるだろう。

 環境性能が大切というのであれば、法に適合したクルマを長く乗り続ける。それもまたゴミを出さないという意味では環境に配慮した行動であろう。

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