トンネル内に突如出現! 知られざるカラフルな「光の輪」の正体
トンネル内に突如現れる“光の輪”
トンネルを走行中、“光の輪”に出会ったことはあるだろうか。静岡県静岡市清水区と山梨県南巨摩郡南部町を結ぶ中部横断道の「樽峠トンネル」や、北海道にある道東自動車道の長いトンネルなどに設置されているこの照明。一体何のために設置されているのだろうか。
高速道路を管理するNEXCO東日本のウェブサイトによると、この光の輪の正体は
「アクセント照明」
という。機能については、
「LED照明灯具でトンネル内の壁面を青色や緑色などスポット的に照らし、走行景観にアクセントを付けます」
とのことだった。単調な景色が続くトンネルのなかでドライバーの視覚に刺激を与え、居眠り運転や漫然運転(ぼんやり運転)による事故を防止するために設置しているそうだ。
実際にトンネル内では、景色の変化がなく刺激がないせいで、つい、ぼーっとしたり眠気を催したりすることがある。薄暗いトンネルだとなおさらだろう。そしてそういった現象は事故のリスクを高めてしまうため、長いトンネルこそアクセント照明の導入は必要不可欠なのかもしれない。
ちなみに、アクセント照明はできるだけ効果的なタイミングで視覚に刺激を与えるよう、トンネルの出入り口付近ではなく、トンネルの
「中腹」
ぐらいに設置されている。照明の色は青に限らず、緑のものや、青とピンクが混ざったレインボーのような照明もある。色や照明の配置箇所についても、ドライバーにより効果的に届くよう、計算されて取り付けられている。
ほかにも、トンネル照明には渋滞抑制のために進行方向へ緑色の光が流れていく「ペースメーカーライト」や、トンネル内に異常が発生した際、異常内容に応じて赤色や黄色に点滅する「サイン照明」も存在する。
アクセント照明をはじめ、トンネルにはあの手この手で事故防止の対策が施されている。私たちが普段何気なく通っているトンネル内の照明には、一体どのような秘密が隠されているのだろうか。