トンネル内に突如出現! 知られざるカラフルな「光の輪」の正体
トンネルを走行中に見かける“光の輪”の照明。これは一体何のために設置されているのか。
トンネル照明のそれぞれの役割
実はトンネル内の照明は入り口、内部、出口でそれぞれの役割が違っており、照明の配置や明るさが異なっている。これはトンネルの出入りによる急な明るさの変化に対応できるよう、施されている対策なのだ。
人間の目は、急激な明るさの変化に対応するまでに時間がかかってしまう。明るい屋外から暗いトンネルに入った際、即座にその明るさの変化に目が順応できないのだ。そのため各トンネルでは入ってからしばらくは照明の数を多くし、外との明るさの違いを小さくしている。
その後内部に向かうにつれて照明は徐々に暗くなり、トンネル中央付近が一番暗くなる。またトンネル出口付近では暗いところから明るいところへ出ると「ホワイトホール現象」(目が順応できず目の前が真っ白になってしまう現象)が起きる恐れがあるため、入り口同様、今度は出口に向けて照明の数を増やし目の負担が小さくなるようにしてくれているのだ。
さらにトンネル内の照明は光センサーで感知しているので、時間帯や天候などにより部分的に照明が消灯され、ドライバーがより見えやすいように調節がなされている。例えば西日が強い時など、光の入り方によっては片側が全部消灯されているということもあるそうだ。このように、トンネル照明にはさまざまな役割や意味が隠されているのである。