トンネルの「4割以上」は老朽化! 橋はさらに深刻、慢性的な技術者不足で もはや不要インフラを葬り去る時代か
日本各地で、インフラの維持管理が深刻化している。道路や上下水道、橋、送電線、ダム、公共施設など、あらゆるものの老朽化が著しいのだ。
4割以上のトンネルが「老朽化」
日本各地で、インフラの維持管理が深刻化している。道路や上下水道、橋、送電線、ダム、公共施設など、あらゆるものの老朽化が著しいのだ。なお、国土交通省はインフラ老朽化に関するポータルサイトを開設し、情報を開示している。
サイトによれば、建設後50年を経過する施設は
・道路橋:約63%
・トンネル:約42%
・港湾岸壁:約58%
などとなっている。
日本では高度成長期に大規模なインフラ整備が実施された。そのため、膨大なメンテナンスを行わなければならない時期を迎えている。国土交通省によれば、インフラの維持管理・更新のための費用として、今後
・2023年:約5.5~6兆円
・2028年:約5.8~6.4兆円
がかかるという。これは不具合が生じる前に修繕を行う「予防保全」を行った場合だ。
インフラの厳しい状況が明らかになったのは、12月2日で発生から10年がたった笹子トンネル天井板落下事故(2012年)だ。事故は山梨県大月市にある笹子トンネル内で発生。コンクリート製の天井板が崩落し、9人が死亡した。事故原因としてトンネルの老朽化が指摘され、管理体制や現状認識が不十分だったことが明らかになった。