インバウンドが増えるほど「リスクも拡大」 新たな観光政策“量より質”路線はうまく機能するのか?
入国緩和は2022年2月から

2020年2月に新型コロナウイルスの感染拡大による外国人の入国制限が開始され、日本のインバウンド(訪日外国人)マーケットは壊滅状態となった。この間、急増するインバウンドを成長の追い風としていた観光産業が大きな打撃を受けた。
今回は、増加し始めたインバウンドのリスクについて改めてまとめる。また、国の新たな「観光立国推進基本計画」についても見ていく。
日本では、2022年2月からコロナによる入国規制の緩和を始めている。まず、ビジネス関係者・留学生に限って入国規制を緩和し、6月には添乗員付きツアー限定で観光客の受け入れを開始したものの、海外個人旅行(FIT)の多い外国人旅行者には敬遠され、インバウンドは回復しなかった。
その一方で円安が進展し、日本へのツアーは割安感が出てニーズが高まる状況となっていた。観光は円安メリットを生かせる数少ない国内産業である。入国規制の全面的な撤廃が急がれ、国は10月にはおおむね規制を撤廃した。
インバウンドが完全回復しないワケ

日本政府観光局(JINTO)によれば、2022年の訪日外客数は383万1900人となっている。入国規制下にあった前年からは大幅に増加している。ただし、コロナ禍以前となる2019年と比較すると、まだ12%程度の規模にとどまっている。
月別に最新の動向を見ると、規制を撤廃した10月以降、急速に訪日外客数が増加している。しかし、最新データの4月は194万9100人で、依然2019年4月の
「67%」
にとどまっている。
確かに、街なかに外国人が目立つようになっており、インバウンドの増加は観光産業従事者でなくとも実感できる。しかし、増加しているといっても、なかなか元の規模には戻っていないのが現状である。
このようにインバウンドが完全回復しない理由のひとつには、すでに2022年から業界でいわれていることだが、
「中国インバウンド」
が回復していないことがあげられる。