「羽田空港アクセス線」で激突 JR東日本vs京急も、そもそもインバウンド頼みで大丈夫か

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JR東日本は羽田空港アクセス線の建設を進めており、2031年の開業を目指している。確かに羽田空港は「日本の玄関口」として知られているが、そもそも同線の需要はそんなに見込めるのだろうか。

羽田空港アクセスの歴史

羽田空港アクセス線の事業区間(画像:JR東日本)
羽田空港アクセス線の事業区間(画像:JR東日本)

 JR東日本は羽田空港アクセス線の建設を進めており、2031年の開業を目指している。東京~空港新駅間を約18分で結ぶ。確かに羽田空港は「日本の玄関口」として知られているが、そもそも同線の需要はそんなに見込めるのだろうか。

 最初に、羽田空港アクセスの歴史について振り返ってみよう。

 羽田空港が拡張工事を終えて国際化するまで、首都圏の国際空港は長らく成田空港(当初は新東京国際空港)だった。成田空港が開業した1978(昭和53)年から2010(平成22)年まで、

「国内線は羽田、国際線は成田」

とほぼ住みわけがなされていた。

 羽田空港はかつて、決してアクセスのよい空港ではなかった。現在は東京モノレールと京急空港線を始め、多くのバス路線が存在している。しかし、1964年の東京モノレール開通まで、羽田空港に向かう方法といえば、電車とバスを乗り継ぐか、タクシーで乗り付けるしかなかった。道路整備が十分ではなかった時代、渋滞に巻き込まれれば都心から2時間近くかかることも珍しくなかったのだ。

 東京オリンピック直前に開通した東京モノレールは浜松町~羽田(現・天空橋)間を15分で結び、アクセスを劇的に改善した。ただ、運賃は高額で片道250円だった。国鉄なら東海道線で小田原の先、早川駅まで行けるほどの料金だった。

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