インバウンドが増えるほど「リスクも拡大」 新たな観光政策“量より質”路線はうまく機能するのか?
インバウンドの1/3を占めた中国人

2019年の訪日外客数の国籍別シェアを見ると、中国が最も多くのシェアを占め、30.1%となっている。日本のインバウンドマーケットにおいて、中国は約1/3を占める中心的存在であったことがわかる。
しかし、入国規制を撤廃した2022年10月時点では4.3%、2023年4月時点でも5.6%にとどまっている。これは韓国や米国、タイなどの国のよりも低いシェアだ。
当初は中国のゼロコロナ政策での出入国規制が影響していたが、今は外交問題の影響があるといえる。
コロナも5月にはインフルエンザと同等の感染症として5類相当の扱いになり、徐々にインバウンドも回復に向かうと考えられるが、中国インバウンドの回復には不透明感が出てきている。
感染症だけでないインバウンドリスク

今回、ひとたび世界的な感染拡大が起これば、インバウンドはすぐに壊滅状態となることがわかった。そして、感染症の専門家は今回のような事態は今後も起こりうると明言している。インバウンドは
「リスクのあるマーケット」
といえる。
リスクは感染症だけでない。近年、世界規模で起きている気候変動によって、国内で常態化している異常気象や自然災害も深刻なリスクである。また、特に日本のインバウンドマーケットの中心を占める中国や韓国など隣接する国では外交問題が大きな懸念材料といえる。
最近では中国のビザ発給停止措置が問題となった。中国国内での感染拡大から日本や韓国が中国人の入国規制を強化したことを受け、科学的根拠のない対応として、1月10日から日本人や韓国人のビザ発給を停止した(その後、29日には解除される)。
また、当時、中国は一定の国への団体旅行を解禁したが、日本を含め主に西側の国は含まれなかった。これには外交的な背景が大きいと考えられている。中国は過去にも領土問題などをきっかけに訪日が減少したことがあった。韓国においても歴史認識などが問題になる度に訪日に影響を与えている。
現在は新政権下で関係改善に向かっているが、これから持続して安定した関係になれるのか動向を注視する必要がある。