平均年収342万円 「空港グランドスタッフ」の待遇はなぜ悪いのか? CAより“4割安い”現実、人手不足の今こそ改善のチャンスだ
空港での接客業務を担当するグランドスタッフ。その平均年収は、CAと比較して実に200万円超も安い。いったいなぜか。
CAは今でも人気の高給職種
コロナ禍の影響や少子高齢化、日本人の平均年収の減少などさまざまな理由により、航空業界は苦難の状況にあり、以前ほどの人気はなくなった。とはいえ、今でも就職希望者にとって人気のある憧れの業界といってよい。
例えば、航空機のなかでの接遇などを行うキャビンアテンダント(CA、客室乗務員)には、採用数の100倍を超える応募があることも珍しくない。
それもそのはず、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、CAの平均年収は
「570.9万円」
であり、国税庁の令和3年分民間給与実態統計調査による日本全体の平均年収443万円と比べて
「1.3倍」
と、高給な部類に入る職業なのである。
平均年収の低いグランドスタッフ
ところが、側から見ると類似の職種にも見るグランドスタッフ(地上業務員)については状況が若干違うようだ。
グランドスタッフとは空港での接客業務を担当するスタッフであり、搭乗手続きなどのチェックイン業務や出発や到着の対応なども行う仕事だ。
カカクコムが運営する求人情報の一括検索サービス「求人ボックス」の調査によると、このグランドスタッフの平均年収は
「342万円」
と、調査が異なるので単純比較はできないが、CAと比較して平均年収にして実に200万円超もの大きな開きがある(4割減)。
今後、旅行需要の復活などによって採用ニーズが増すことで徐々に年収も上がっていく可能性はあるものの、現時点でなぜここまでの差が生まれているのであろうか。